【空間づくりの裏話】“オーガニック×韓国居酒屋” 目黒川沿いの春を切り取る空間へ 【ソウル小町 / 中目黒】
ソウル小町
東京都目黒区中目黒1-8-8 2F
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東京・目黒川沿いの桜並木のすぐそばに、ひっそりと佇む韓国居酒屋「ソウル小町」。
ネオンサインの灯りと流木の質感が共存する店内は、一歩足を踏み入れた瞬間に、心地よい違和感と温かさに包まれます。
今回は、移転をきっかけに始まった内装リニューアルのプロセスについて、施工を担当した紡ぐ工房の視点からお伝えします。“ただのおしゃれ”では終わらない、想いのこもった空間づくりの舞台裏を、ぜひご覧ください。
もくじ
- 1. 移転をきっかけに再出発
- 2. 想いをくみ取るヒアリングから始まった設計
- 3. 春の桜を切り取る「席配置」へのこだわり
- 4.「素材と演出でつくる“ソウル小町らしさ”
- 5. 完成して終わらない、育てていく空間づくり
- 6. みんな最初は不安。でも、ひとりで抱えなくて大丈夫なんです。
- 7. 編集後記
1. 移転をきっかけに再出発
ー今回のご依頼は、どのようなお客様からのものでしたか?
中目黒で韓国居酒屋を営んでいたオーナー様からのご依頼でした。
既存店舗ではいくつかの課題があるなか営業されていたのですが、そんななかで新築物件の空きテナントが出たことをきっかけに、移転を決断されました。
「流木」「フェイクグリーン」「オーガニック」といったキーワードで検索した際、弊社の施工事例がヒットし、ホームページからご連絡いただきました。
2. 想いをくみ取るヒアリングから始まった設計
ー初回のヒアリングでは、どんなことを重視しましたか?
はじめに、既存店舗の内装デザイン、料理や食器、メニューをどの程度変えるのかを確認しました。
最終的には、内装をはじめ料理や食器などは一層し、空間で新しさを演出したいという方向に決まりました。
3.春の桜を切り取る「席配置」へのこだわり
ープランニングの際に特にこだわったポイントはどこですか?
店舗は目黒川沿いにあります。下の写真はソウル小町さんのインスタグラムですが、春には桜が満開になるんです。このロケーションを最大限に活かすため、どの席からも桜が見えるように配置設計を行いました。
4.素材と演出でつくる“ソウル小町らしさ”
ーデザインや素材選びで重視したことは?
「オーガニックな雰囲気」を表現するために、流木・フェイクグリーン・ネオンサインを取り入れました。流木は実際に江ノ島で拾い集めたものを使用しています。また、ピンクのネオンサインが韓国らしい空間のアクセントになっています。
ー施工前に不安だった点や、工夫したことはありますか?
今回はスケルトン状態からの施工で、新築ビルということもあり、管理会社の規定が厳しい現場でした。ひとつ挙げるとすれば、エアコンの室外機を屋上に設置するにあたり、外壁を傷つけないよう慎重に調整を進めました。
5.完成して終わらない、育てていく空間づくり
ー印象に残っている出来事はありますか?
オーナー様とはスケッチを交えて、「この色だとこう見える」といったやり取りを丁寧に重ねました。
このお店は、オーナーの元スタッフだった女性が代表に就任された店舗でもあり、その強い想いを形にできたことが印象に残っています。また、内装でつかった流木は、理想の形を求め、紡ぐ工房のスタッフたちと一緒に探しにいったんです。そのようなこともいい思い出になっていますね。
ーオープン後のサポートはどのように行っていますか?
「個室をつくりたい」「席のレイアウトを変えたい」など、運営後のご相談にも対応しています。エアコンを設置したいというご要望には、はじめの費用を抑えるためのご提案などもさせていただき、実際に3台導入しました。店舗開業には大なり小なりコストがかかりますから、不安点は都度ご相談いただけるようにしています。
6.みんな最初は不安。でも、ひとりで抱えなくて大丈夫なんです。
ー最後に、これから内装工事を検討している方にメッセージをお願いします。
最初に正解だと思ってつくっても、実際に営業してみると変わる部分はたくさんあります。
弊社では、施工後も気軽に相談いただける体制を整えており、変化に対応しながら育っていくお店づくりをお手伝いしています。その時々の状況に応じて、費用を抑えた柔軟なご提案が可能です。
7.編集後記
目黒川の桜、自然発酵調味料を使ったやさしい料理、そして流木やグリーンに囲まれた店内。
「ソウル小町」は、空間・食・人のすべてが調和した空間になっています。
施工は完成した瞬間がゴールではありません。
運営していく中で見つかる課題や変化に、私たちが伴走し続けられる関係性を築けたことが、今回の現場の何よりの喜びです。