「ホテルのような暮らし」をリノベーションで実現─旅行好きご夫婦のお話

今回ご紹介するのは、戸建て住宅のリノベーションを依頼されたオーナーさんへのインタビューです。以前、ご子息が経営されている美容サロンの内装工事をご依頼いただいたことがご縁となり、ご両親の住まいづくりにもお声がけいただきました。
年間50泊もの旅を楽しまれるご夫婦が目指したのは、旅先の心地よさを日常に取り込んだ“ホテルライク”な空間。こだわり抜いたキッチンやパントリー、住みながら進めた工事の工夫など、オーナーさんの想いや、具体的な施工のポイントをご紹介します。
ご縁となったサロン工事
ーー リノベーションを依頼されたきっかけを教えてください。
きっかけは、息子が紡ぐ工房さんへ依頼した、サロンの内装工事でした。それまでの住まいを、自分たちの暮らしに最適化するかたちで見直したいと考えていたのですが、あの時のお仕事ぶりを見て「私たちの家もお願いしよう」と決めました。あの工事がなければ、代表の矢野さんと繋がることはなかったと思いますし、工務店の選び方がわからなかったので、そもそもリノベーション自体やっていなかったかもしれません。
ーー 当初、不安はありませんでしたか。
大きな買い物なので心配がなかったかといえば嘘になります。ですが、サロンの工事や矢野さんの誠実な対応で信頼が深まっていきました。細かな要望や質問もすぐ相談できる体制を整えてくださり、とても安心してお任せできたんです。
年間50泊。旅を愛する奥様がコンセプトにした「ホテルライク」な家づくり
ーー リノベーションのテーマを“ホテルライク”にした理由を教えてください。
私たちは旅行が好きで、年間50泊ほどはあちこちのホテルに泊まります。そんな中で心地の良い空間というものが、自分の中で定まってきました。清潔感やストレスフリーな導線といった居心地のよさを自宅でも味わいたいと思い、リノベーションのテーマにしました。
ーー デザイン面で意識したのはどのような部分ですか?
A. 白とグレージュを基調にまとめ、照明などもやわらかな光を選んでいます。また質感や機能性で選んだグラフテクトのシステムキッチンが、リビングダイニング全体の統一感を高めてくれました。床には大理石を使うことでより雰囲気が出たと思います。
壁は漆喰(しっくい)仕上げをご提案いただきました。やさしい質感と光の反射がホテルのような上質感を演出してくれていると思います。壁紙よりも初期費用はかかりますが、調湿効果などもあるということで長い目で見たときに選んで良かった部分ですね。
GRAFTEKT / グラフテクトとは…
40年以上ハイエンド・オーダーキッチンを手掛ける Kitchenhouse / キッチンハウス のセカンドラインとして誕生したシリーズ。高い品質を持ち、様々なキッチンレイアウトを選択可能なプロダクトです。
キッチンとパントリーへのこだわり
ーーお料理が好きだとお聞きしました。キッチンでこだわった部分を教えてください。
はい。料理が好きなので、食材や調味料、調理器具などかなりの量があったんです。とにかく“収納力があって使いやすい場所”が欲しくて、キッチン横に広いパントリーを設けもらいました。
そのパントリーも、あえてオープン型にしています。扉を付けないほうが、片手でサッと物を取れますし、二重に扉を開け閉めする手間もありません。
仕舞い方を工夫すれば、多少物が見えていても気にならないんですよ。今はバスケットにラベルを付け、“ここに何が入っているか”をひと目で分かるようにしています。初めて来た人でも迷わず調味料を取り出せるので便利です。
それから、扉を開けなくても一望できるので、残量の確認が楽になりました。オープン型にして“壁自体が使いやすさを生む”感覚を実感しています。
ーー キッチンのレイアウトもこだわったとお聞きしました。どのような効果がありましたか?
窓越しに庭の緑が見える配置にしたので、朝の光の中で料理をしていると本当に気持ちがいいんです。気づけば午前から夕方までキッチンに立っていることもあります。庭の野菜や果実を使って料理をするのが、いっそう楽しくなりました。
住みながら進めたリノベーション
ーー住みながらのリノベーション工事は大変だったでしょうか?
正直、最初は「本当に住みながらできるのかな…」という不安がありました。でも、実際には大きな負担を感じずに工事期間を過ごすことができました。
というのも、解体などで大きな音が出るタイミングには、矢野さんから“せっかくなので旅行を計画されてはどうですか?”と事前に提案してくださっていたんです。
おかげで、ストレスを感じやすい工程の時期には家を空けて、静かな時期に戻ってこられるように段取りを組むことができました。こうした細やかな配慮がとてもありがたかったですね。
それから、工事が始まってすぐに浴室を使える状態にしてくれたことも大きかったです。水回りの不便さは住みながらの工事で一番心配していた部分だったので、ほとんど銭湯に通わなくて済んだのも助かりました。
生活への影響を最小限にとどめるための工夫が随所にあって、「住みながらのリノベって、ここまで快適に進められるんだ」と驚いたほどです。施工中も安心して日常を過ごせたことが、今回のリノベーションの満足感にもつながっていると感じています。
仕上がり後の感想
ーーリノベーションを終えて、率直なご感想をお聞かせください。
リノベーションを終えて、暮らしがより豊かになったと心から感じています。特に、こだわって選んだグラフテクトのキッチンや広々としたパントリーは、私の生活を大きく変えてくれました。自分の「好き」を形にできたことで、日々の満足度が格段に上がったように思います。
迷っていることを矢野さんに相談すると、的確なアドバイスをいただけたのもありがたかったです。おかげで、自分たちのこだわりを大切にしながら、より良い選択ができました。
また、2階のトイレの配管が外れかけていたことが見つかったのも、今回のリノベーションが良い機会になりました。壁の内側という普段見えない部分のメンテナンスができたことも大きなメリットだったと感じています。
リノベーション後、ドアの構造上、下に隙間があることに気づき、そこから冷気が入ってくることがわかりました。矢野さんにご連絡したら、すぐに駆けつけて対応してくださり、隙間を埋めてくださいました。こうした迅速なアフターフォローにも感謝しています。
工務店選びで大事だと思った点
工務店選びで最も大事だと感じたのは、安心して任せられるかどうかでした。矢野さんをはじめ、信頼できる職人さんと直接やり取りできるため、安心感が違いました。工事中もそのあとも、細かな疑問や不安にすぐ応えてくれるので、依頼して本当によかったなと思っています。
ギャラリー
編集後記
今回お話を伺ったオーナーさんは、ご子息のご紹介をきっかけに、住まいのリノベーションをご依頼くださいました。年間50泊以上の旅を楽しむなかで培われた「快適な空間とはなにか」というご自身の感覚を、余すことなくプランに反映されたのが印象的でした。
ホテルライクな空間へのこだわりは、素材・動線・光・収納、すべてにおいて“日常を豊かにする工夫”に満ちていて、特にキッチンは「暮らしを変える装置」そのものでした。
今回の事例が、リノベーションをご検討中の方にとってヒントになれば幸いです。
ご自宅や店舗の空間づくりでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。