東京最大級のドッグラン|原宿に誕生したDOG RUN TOKYOの店舗づくり
今回ご紹介するのは、原宿駅から徒歩約8分、新築マンションの1階にオープンした室内ドッグラン「DOG RUN TOKYO」です。
このプロジェクトでは、紡ぐ工房が設計事務所や様々な分野のエキスパートと協力し、空間づくりの各工程に携わりました。
室内ドッグランは、一般的な店舗とは異なり、訪れる人の居心地だけでなく、実際に空間を走り回るワンちゃんの安全性にも配慮する必要があります。
床材の滑りにくさや、遊具の形状、手が触れるパーツの使いやすさなど、デザインと機能の両面から検討を重ねました。
また、飼い主の方(お客様)も楽しく過ごせる空間でなくてはなりません。
そのため、遊具や造作物、シャンデリア、ドアの持ち手など、この場所に必要なさまざまなものを、制作しています。
この記事では、物件の下見から現地調査、設計事務所(株式会社GARAN様)やオーナー様との打ち合わせ、多くの職人が携わった施工現場、そして完成・お引き渡しまで、DOG RUN TOKYOが形になるまでの施工ストーリーをご紹介します。
新築マンションの1階を室内型ドッグランへ

ー今回施工した物件について教えてください。
今回の物件は、原宿駅から徒歩約8分の場所にある、新築マンションの1階です。
建物の1F部分を、ワンちゃんと飼い主のお客様が安心して過ごせる室内ドッグランへとつくり上げるプロジェクトでした。
完成したばかりの建物の中に、店舗として必要な機能やデザインを加えていく新装工事です。

一般的な店舗では、お客様が歩いたり座ったりすることを中心に空間を考えますが、室内ドッグランでは、ワンちゃんが走る、止まる、方向を変えるといった動きも想定しなければなりません。
そのため、見た目の印象だけではなく、安全性や使いやすさも含めて、空間全体を考えていく必要がありました。
物件の下見から始まったプロジェクト
ー紡ぐ工房は、どの段階からプロジェクトに参加しましたか?

紡ぐ工房は、物件の下見段階からプロジェクトに参加しました。
写真の通り、初めて現地へ行った際は、建物が建設途中の状態でした。
しかし実際の店舗づくりでは、まず現地へ足を運び、空間の広さや形状、周辺の状況などを確認するところから始まります。
図面上では把握しきれない部分もあるため、実際の空間を見ながら、設計内容をどのように施工へ落とし込むかを考えていきました。

下見から現地調査、打ち合わせ、施工、お引き渡しまで、一つひとつの工程を積み重ねながら完成へ進めていくことが重要になります。
現地調査で確認した、設計と施工の接点

ー現地調査では、どのようなことを行いましたか?
現地調査では、実際の建物の状態を確認しながら、設計事務所が考えた空間をどのように実現するか検討しました。
設計図に描かれた内容を、そのまま現場で形にできるとは限りません。
建物の寸法や設備の位置、施工する場所の状態などを確認し、必要に応じて施工方法を考えていきます。

今回のように多くの造作物やオリジナルパーツを設置する空間では、それぞれの寸法や位置関係を確認することも重要です。
現地で得た情報を設計事務所と共有しながら、施工へ向けた準備を進めました。
オーナー様の想いを形にする打ち合わせ

ー打ち合わせは、どのように進められましたか?
設計事務所やオーナー様と打ち合わせを重ねながら、内部のデザインや必要な造作物について検討しました。
今回のプロジェクトでは、オーナー様からのご要望を受け、内部デザインが幾度も変更されています。
一度決定した内容であっても、より良いアイデアが生まれれば、改めて検討し直す。
そうしたやり取りを重ねながら、完成形へと近づけていきました。

変更が加わるたびに、施工方法や他の部分とのバランスも確認する必要があります。
簡単な作業ではありませんが、オーナー様がこの場所でドッグランを開くことに本気で向き合っているからこそ、細かな部分まで妥協せず検討が続いたのだと思います。
紡ぐ工房もその想いに応えるため、設計事務所や現場の職人たちと連携しながら、変更内容を一つひとつ施工へ反映していきました。
愛犬が安全に遊べる床材の選定

ー床材には、どのようなものを採用しましたか?
DOG RUN TOKYOの印象を大きく左右しているのが、カラフルな床です。
床材には、プールサイドでも使用される、グリップ力のある素材を選定しました。
水に濡れても滑りにくい特徴があり、ワンちゃんが室内を走ることを考慮した素材です。
ドッグランでは、ワンちゃんが勢いよく走ったり、急に止まったり、方向を変えたりします。
そのため、空間の色や雰囲気だけではなく、足元の安全性を考えることが欠かせません。

カラフルな配色によって空間に楽しさを加えながら、室内ドッグランとして必要な機能も備えた床に仕上がりました。
空間に合わせた遊具と造作物の制作

ー紡ぐ工房では、どのようなものを制作しましたか?
紡ぐ工房では、ワンちゃんが遊ぶための遊具をはじめ、店内で必要となるさまざまなものを制作しました。
既製品だけで空間を構成するのではなく、設計事務所が考えたデザインや、実際の使い方に合わせて、一つひとつ形にしています。

一例をあげると、カウンターや陳列棚、バルーンのオブジェやシャンデリア。リードフックから壁の案内表示(ピクトグラム)まで、目指す世界観に合わせて、一から設計、造作しました。


また遊具で言えば、ボールプールや、駆け上がれる高台。トンネルなども作っています。
遊具は、空間の印象をつくる要素であると同時に、ワンちゃんが実際に触れて遊ぶ設備です。
そのため、見た目だけでなく、安全に使えることも考えながら制作を進めています。

空間に合わせた寸法や形状で制作できることは、造作ならではの大きな特徴です。
3Dプリンターで生まれたオリジナルパーツ

ー3Dプリンターも活用されたそうですね。
今回の施工では、3Dプリンターを使ったオリジナルパーツの制作も行いました。その一つが、店内に設置するシャンデリアです。
ソフトクリームやコーンの部分など、複雑で細かな造形が必要なところに活用しました。
既製品の中から近いものを探すだけではなく、空間に必要な形をデータから制作できることは、3Dプリンターの大きな利点です。

実は、入口のドアの持ち手も、3Dプリンターを使って制作しています。ワンちゃんの顔をイメージしたデザインで、持ち手の部分は鼻を表現しているんです。
木工造作やモルタル、グラフィックシートに加えて、新しいデジタル技術も取り入れることで、制作できるものの幅が広がります。
DOG RUN TOKYOでは、こうしたオリジナルパーツも空間を特徴づける大切な要素の一つになりました。
多くの専門職人が携わった施工現場

ー施工には、どのような方々が関わりましたか?
今回の現場には、紡ぐ工房だけでなく、さまざまな分野の職人が入りました。
クロス職人、電気職人、左官職人、ガラス職人など、それぞれ異なる専門技術を持つ職人が施工を担当しています。
一つの店舗を完成させるためには、一つの職種だけでは対応できません。

壁を仕上げる人、電気や照明を整える人、左官の技術で表情をつくる人、ガラスを施工する人。
それぞれの仕事が適切な順番でつながり、初めて一つの空間として完成します。
設計事務所、オーナー様、紡ぐ工房、各分野の職人が情報を共有しながら進めたことで、さまざまな要素を持つ空間が形になりました。
ー動物関連施設ならではの特徴もありましたか?
動物に関わる事業を始める際には、空間を施工するだけでなく、開業に向けてさまざまな許可や手続きも必要になります。

オーナー様は、工事の打ち合わせやデザインの確認と並行しながら、開業に向けた準備も進められていました。
店舗をつくることと、事業を始めること。
その両方を同時に進める必要がある点も、今回のプロジェクトの特徴でした。
変化する要望に対応しながら進めた空間づくり

ー内部デザインの変更には、どのように対応しましたか?
今回のプロジェクトでは、施工へ向けた準備が進む中でも、内部デザインに幾度も変更が加えられました。
変更があれば、その部分だけを直せばよいとは限りません。
周囲の造作や仕上げ、照明、他の職人の作業などとの関係も確認しながら、全体を調整する必要があります。
加えて、すでに家賃も発生していること、さらにオープン日が決まっている点なども考え、
無駄なく、効率的に作業を進めなくてはなりません。

設計事務所と内容を確認し、各職人と共有し、
完成までの過程でいくつもの検討を重ねたことが、DOG RUN TOKYOの個性ある空間につながっています。
暑さの中で迎えた施工終盤

ー工事中に特に大変だったことはありますか?
施工の終盤までエアコンが設置されていなかったため、暑い室内で作業を進めなければならない期間がありました。作業を行う職人にとって、室内の温度は大きな負担になります。
そうした環境の中でも、各職人が自分の担当する作業を進め、完成へ向けて細かな仕上げや調整を重ねました。

紡ぐ工房や設計事務所、現場の職人同士が連携しながら、最後まで作業を積み上げていったことも、この現場で印象に残っている出来事の一つです。
完成・お引き渡し

ー完成後のオーナー様の反応はいかがでしたか?
完成した空間を見て、オーナー様にも大変喜んでいただくことができました。
カラフルで滑りにくい床材、ワンちゃんが遊ぶための遊具、壁のクロス、入口のサイン看板など。
それぞれ異なる方法で制作されたものが、一つの空間の中に組み合わさり、思い描いていた空間ができたと感じています。
物件の下見から始まり、現地調査、打ち合わせ、施工まで、およそ半年ほど。
設計事務所や各分野の職人、そしてオーナー様とともにつくり上げた、紡ぐ工房にとっても印象深い施工事例となりました。
ギャラリー























編集後記
DOG RUN TOKYOは、ワンちゃんが安全に遊べる機能性と、訪れた人の印象に残るデザイン性を両立した東京最大級の室内ドッグランです。
完成までには、オーナー様や設計事務所との幾度もの打ち合わせに加え、クロス職人、電気職人、左官職人、ガラス職人など、多くの専門職が関わりました。
一つの店舗や施設をつくり上げるには、関係する人たちの考えを共有し、変化にも対応しながら進める力が必要です。
DOG RUN TOKYOは、オーナー様がこの場所で事業を始めることに真剣に向き合い、設計事務所や多くの職人とともに検討を重ねたからこそ完成した空間だと感じています。
紡ぐ工房では、設計事務所や各分野の職人と協力しながら、店舗や施設の用途に合わせた素材選び、造作物の制作、内装施工を行っています。
室内ドッグランをはじめ、動物関連施設や店舗の新装工事をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。